雨の日も、雪の日も、猛暑日も、約10年間、川島小学校のそばで子ども達の朝の安全を見守る女性がいます。田嶋すいさんです。
川島小の東門につながる十字路で毎朝立哨に立ってくれている田嶋さん。
きっかけは 民生委員(※)。民生委員を続けるうちに地域のために出来ることは何だろう?と考えて「子ども達の登下校の見守りはどうかな。夕方は難しいけど、朝なら私にも出来るんじゃないかしら。」と始め、気がつけば用事がある時以外、約10年間、毎朝7時半から8時頃まで立哨を続けているとのこと。
3年前には川島小からの推薦もあり、その功績が県から表彰されました。表彰式は川島小体育館で児童の前で行われ、「緊張したけれど、とても嬉しかったです。」と、照れながら話してくださいました。
田嶋さんの最近の心配は、雨の日。そして、子ども達の車への意識。
「雨の日の道路の混雑がとにかくすごい。車で送迎する方が多くなっているので、この十字路付近が渋滞してしまって。伊讃美児童館からの出入りと東、北の道からの車が三つ巴みたいなってしまっているんです。そこを傘をさす子どもたちが通るので事故が起こらないか、いつもヒヤヒヤしています。また、以前と違って車の走行音がとても静かになったので、子ども達がおしゃべりに夢中だと車の気配に気がつかない。なので、遠くからでも聞こえるように『車が来てるよ』と大きな声で注意を促しています。事故が起きれば被害者も加害者も、その家族も皆んな悲しむから。」
このお話を聞いて、保護者として私自身が、そして子ども達自身が事故を未然に防げることとして、
(1)なるべく送迎に車は使わない。
(2)道を歩くときはおしゃべりに夢中にならずに前を向いて耳を澄ます。
(3)傘をさすときは視界が保てるように前を向いて、傘を後ろに傾けてさす。
を子ども達と再確認しようと思いました。
ついつい車で送迎したくなってしまいますが、怪我や体調不良・暴風雨など特別な時は除き、「暑さや雨に打たれるのは子どもがかわいそう。」と送迎したくなった時は、「歩いている子を巻き込む事故を起こしてしまうかもしれない。そうなれば多くの人が悲しむ。」ことを思い出して安易に車は使わないと心に誓いました。
田嶋さんに毎日立哨は大変じゃないですか?と質問すると、「大変な時もあるけれど、やっぱり子ども達の元気な挨拶を聞けるのは嬉しいです。毎朝いるから安心感があるのか『あそこで泣いている子がいたよ』『忘れ物しちゃってどうしよう』なんて頼ってくれるのも可愛いなと。送ってくるお母さん達と話せるのも楽しいですね。それに、ここで立っていると、この拓けた田園風景の四季、特に麦の色づきや稲を揺らす風、爽やかな筑波山など自然を肌で感じられるのがとっても気持ちが良いんです。案外歩数もこなすので、健康的な生活を送れるのも良いところですね。」と話してくださいました。
東門の守護神と言える田嶋さん。やれるうちはずっと続けたいとおっしゃってくださいました。
川島地区の子どもたちを見守る暖かい眼差=「かわしまゴコロ」がここにもありました。
※民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、社会福祉の増進に努める方々であり、「児童委員」を兼ねています。
児童委員は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちを見守り、子育ての不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等を行います。
厚生労働省ホームページ「民生委員・児童委員について」より引用
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/minseiiin/index.html