里神楽(さとかぐら)が観られる山倉神社 秋の例大祭

茨城県筑西市にある山倉神社の里神楽の様子 かわしまゴト(イベント等)

 11月の川島といえば「山倉さんの秋まつり」として知られる山倉神社の秋の例大祭。毎年11月26日に行われます。


 朝、開催を知らせる花火が打ち上げられると、「お祭りだ!」と高まる気分。以前、神楽(かぐら)を見たときから絶対に取材をしたいと思っていたお祭りです。
 色々なイベントが中止となり、寂しさを感じていた時に耳にした花火の音は「頑張ろう」と応援してくれているようで元気をもらいました。

 ベビーカーを押す親子連れや、毎年来ているというご近所のおじいちゃん、お札をもらいに来たというおばあちゃん。色々な人が参拝されているのを見て、地域密着のお祭りだなと感じました。

 今年は新型コロナ感染症対策から、神事も回数を増やして行われ、密を避けての開催とのこと。
 ガラス張りの綺麗な拝殿では氏子さんが玉串を捧げ、神楽殿ではお囃子にのった神楽が奉納されます。生で聴く笙(しょう/竹管を環状に立てた笛)や鼓(つづみ)の音色、表現豊かな神楽面。地域で受け継がれてきた日本文化を間近で観られる貴重な機会です。

 神職の鈴木さんに山倉神社の始まりを伺いました。
「元は山倉大神(※1)の氏子さんが氏神様として祀っていたが、流行病の護符の効果から周辺の家へ崇敬が広まり、今のような地元で祀られる存在になっていたようです。」
 流行病や疫病というキーワードに敏感になっている今日この頃。こんな近くに、昔の感染症流行時に地域の支えとなったところがあったとは。心強く、嬉しくなりました。


 「コロナ禍にあっても、下を向かずに前を向いて進んでいければ。」と話される鈴木さんの優しい眼差しに地域で愛される神社の温もりを感じました。

 年に一度の秋まつり。来年はマスクなしで、人との距離を気にすることなく楽しみたいものです。


【山倉神社】(やまくらじんじゃ)<筑西市小川1528>
祭神は、高皇産霊神(たかむすびのかみ)、建速須佐男神(すさのおのかみ)、大物主神(おおものぬしのかみ)。
※1・・・天文年間(1532~1555年)、下総国山倉村(現千葉県香取市)の山倉大神から分霊を勧請し創建。1874(明治7)年まで山倉大六天王と称し、その後山倉大神、1952(昭和27)年9月22日、山倉神社へ。病難除災に御利益ありとして広く信仰を集めている。

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